マジックを振り返る(第4版編)
マジックを振り返る(第4版編)
マジックを振り返る(第4版編)
第4版は同じ4版の中で多くの種類があって非常にややこしい事で有名です。(特に日本語版)
以前話したように”その言語で初めて発売されるセットは黒枠である”というルールに則って黒枠の限定版(もっとも、流通数は通常の白枠版より多いとされている)を日本語で刷ったことと、”Alternate Fourth Edition”と呼ばれる本来とは別の印刷会社で発行された品質の異なっているバージョンが存在するからです。
特にAlternate 4thは他の物よりも希少価値が高く、高額で取引されることが多いです。

また、ここでリバイズドから導入されたタップシンボルのデザインを変更しています。
理由は傾いたTの文字だけだと非英語圏の人に直観的に分かり辛いからだそう。
このデザインは8版までの長い間使用されることとなります。
後、白のマナシンボルも地味にデザイン変更されてたり。

収録カードに関してはリバイズドと比較してやや大人しいものになっています。(と言ってもまだまだ強力なカードも多いですが)
デュアルランドやデモチューなどが無くなったものの、天秤、チャネルと言った後のヴィンテージ制限カードなんかがまだ残ってたりも。

4版は他の基本セットとは異なり、なんと拡張セットがあります。
これは米国と後発の諸国とのカードセットの発売数格差を少しでも埋めるための物です。
それによって世にも珍しい基本セット用の拡張セット、クロニクルとルネッサンスが誕生することに。
次回はこれを解説していきたいと思います。

今回もありがとうございました!
マジックを振り返る(フォールン・エンパイア編)
マジックを振り返る(フォールン・エンパイア編)
マジックを振り返る(フォールン・エンパイア編)
フォールン・エンパイアといえば、安売りされていた(いる)パックで、それ故弱いセットだというイメージがあるのは間違いないでしょう。
ですが、それは半分間違いです。
確かにレジェンド等に比べてカードパワーが低いのは紛れもない事実ですが、強いカードもちゃんと入っています。
ではなぜ投げ売りされていたのか?それは優良カードが軒並みコモンで収録されていたからです。
現在のエターナルでも使われるHymn to Tourach、High Tide、ゴブリンの手投げ弾なども収録されていますが、これらはすべてコモンでした。
ここまでパックの売り上げが好評だったことをうけて、余りに大量に刷り過ぎたことも原因ではありますが。
英語版を刷り過ぎた影響か、他言語で刷られなかったのも有名なお話です。

また、Delif’s Cone以外のコモンに複数のイラストが存在する事でも有名。
Hymn to Tourachの絵柄を4種別々に揃えていらっしゃるお洒落さんも多いのではないでしょうか?

全体のテーマとしては小さい同種族のクリーチャーを並べる、所謂部族が主軸になっています。
黒はスラル、青はマーフォーク、緑はエルフとサリッド等…
しかし、前述のゴブリンの手投げ弾の含まれる赤はオーク(ちなみに同セットにオーグもいる。ややこしい)、ドワーフ、ゴブリンと3部族もいたので弾の餌であるゴブリンが不足するという本末転倒な事に。

個人的にはDeep Spawnが印象深いセットです。
マジックでも数少ないザリガニカード(しかし種族はホマリッド)。

マジックオンラインにおけるパウパーには基本的に古いセットは含まれていない(というかリリースされていない)のが残念でならないセットです。
これでもかと言う位コモンに強力カードが集中したセットなのですが…。

今回もありがとうございました!
マジックを振り返る(ザ・ダーク編)
マジックを振り返る(ザ・ダーク編)
マジックを振り返る(ザ・ダーク編)
ザ・ダークはmtgで唯一、イラスト先行で制作されたセットです。
出来上がったイラストを元にカードをデザインするという非常に面白い手法で作られました。
ただし、共通のテーマとして”暗黒時代”を提示しているため、全体的に暗めなカードが多いです。

ザ・ダーク固有の強力カードは再録によりほとんどなくなりましたが、血染めの月やトーモッドの墓所はここが初出という事だけ覚えておきましょう。
逆にあまりの弱さで有名なカード、”Sorrow’s Path”の収録はここだけ。
テキストは以下の通り

Sorrow’s Path
土地
(T):ブロックしている、対戦相手がコントロールするクリーチャーを2体選ぶ。それらのクリーチャーのそれぞれが、他方をブロックしているすべてのクリーチャーをブロックできる場合、それらの両方を戦闘から取り除く。その後互いに、片方がブロックしていたすべてのクリーチャーをブロックする。
Sorrow’s Pathがタップ状態になるたび、それはあなたとあなたがコントロールする各クリーチャーに2点のダメージを与える。

土地なのにマナ能力を持たない、メリットがブロッククリーチャーの入れ替えと微妙なのに対してデメリットが全体2点ダメージと大きすぎるという点でmtg最弱の土地の名を欲しいがままにしています。
2点ダメージでこちらのクリーチャーが壊滅する事の方が圧倒的に多いので、折角の入れ替えが無意味なのがなんとも。
付いたあだ名が”自殺の名所”。
公式のコラムでも「このカードはあまりにひどいので、私も無理矢理デッキに入れたりこれで勝とうとしたりするのをあきらめた。ちゃんと使おうと思ったら、相手にこの土地を押しつけて、継続的にタップしまくるしかない。ひどすぎるので、対戦相手にコントロールを渡すくらいしか使い道がないんだ。」と書かれる始末。

今となっては開封する意味の薄いパックになってはしまいましたが、イラストが本当に素晴らしいので有用カードはここの版で揃えてみてはいかがでしょうか?
今回もありがとうございました!
マジックを振り返る(レジェンド編)
マジックを振り返る(レジェンド編)
マジックを振り返る(レジェンド編)
レジェンドは史上初の独立型のエキスパンションで、初めて伝説の・多色の(ついでにワールド・エンチャントも)カードが登場したセットでもあります。
収録枚数が非常に多いため狙ったカードが出にくく、現在はパック自体が高額化しているのもあり剥くのはハイリスクハイリターンなパックになっていますね。
マジックには珍しい日本風の名前やイラストのクリーチャーが収録されていることでも有名で、特に≪Tetsuo Umezawa≫は後に神河ブロックの主要人物≪梅澤俊郎≫の末裔に設定されたことで有名です。
ストーリー的にも後にmtgを代表する悪役となる≪ニコル・ボーラス≫の初出のセットとして重要です。(もっともこの頃のストーリー上での扱いはあくまで1セットの敵ボス程度の物でした。カードの強さでの人気に引っ張られて大物化した有名な例ですね)
レガシープレイヤーには≪Moat≫、≪Chains of Mephistopheles≫、≪The Tabernacle at Pendrell Vale≫、≪Nether Void≫などが高額な有用カードとして人気ですね。
全体的に強くて面白いカードも多いですが、反面理不尽なほどに弱い伝説のクリーチャーなども同居しているチクハグさも魅力と言えるでしょう。
今回もありがとうございました!次回はザ・ダーク編です。
今回はリバイズド編です。
リバイズドと言えば逸話が沢山あるので紹介のし甲斐がありますね!

日本でマジックが普及し始めたのもここ位です。
また、イタリア、フランス、ドイツ語と他言語での販売が開始されたのもリバから。

エラーについても有名でセレンディブのイフリートがIfh-Biff Efreetのイラストで枠は緑という訳が分からないことになっていたり(このせいでIfh-Biffの知名度もあり、元々セレンディブのイラストだと思っている人も多いと思われます)、プラトゥーの原画ファイルの破損により急遽新規イラストを割り当てられましたが(そのためデュアルランドで唯一の複数のイラスト持ちに)、アーティスト名を元のカードから変更し忘れたためにDrew Tucker表記のままになっていたりします。

また、タップシンボルの導入もここからです。この頃は現在と違い、斜めに傾いたTの字のデザインでした。
タップシンボルのようにカードテキストが無駄に長く助長なものにならないようにする工夫を早期に始めたことは、後の成功の秘訣の一つになったと思っています。

有名な誤出荷事件のサマーマジック(エドガー)はこのリバイズドのエラーを修正した版なので、収録カードが共通しています。
これらのカードにはかなりの希少価値があり、非常に高価で取引されていることで有名。
肝心のエラー修正の方が結構杜撰でいい加減なのは内緒。(だからこそ出荷しない予定だったのでしょう)

今回もありがとうございます!次回はレジェンド編です。
マジックを振り返る(アンティキティー編)
マジックを振り返る(アンティキティー編)
このセットはある意味、その後のマジックの方向性を決定してしまいました。
そう、強烈なアーティファクト推しセットの元祖がこのセットです。
殆どのカードに「アーティファクト」の字が入っているというトンデモ。
このセットからmtgのぶっ壊れアーティファクトの歴史が始まってしまいました…。
色々有名カードはありますが、その中でも一際特異なのが”Mishra’s Workshop”。
このカードはアーティファクト専用の”3”マナランド。
当時はそこまでではなかったものの、強力なアーティファクトが出るたびにその異常性を発揮していくことと相成ります。
当然レガシーではずっと禁止、ヴィンテージではトップメタの一角のMUDの核になっています。

アンティキティーの土地はワークショップ以外同じセットの中でイラスト違いが複数存在しています。
そこに変則的な希少度も加わったことでややこしいことになっているのも有名。
例えば、ウルザランドは絵柄毎にコモン2のソートとコモン1のソートで分かれてしまっているので同レアリティ内で出回っている枚数に差が出てしまっています。
さらに顕著なのがミシュラの工廠。
これは春夏秋冬の4種のイラストが存在しますが、春だけコモン1のソートで他はアンコモン1での収録。
そのせいで春だけ市場価格が安く、逆に希少度の高い他の季節は(特にイラストの人気が高い冬)高くなっています。
(2017年現在、春は1,000円前後、冬は10,000円前後で取引されています。その差額はなんと約10倍、冬の人気に驚きますね)
※このセットではアンコモンは1から3、コモンは1、4から6と分かれていて、同じレアリティでも数字が小さいほど出にくくなっています。

今回もありがとうございました!次回は3ED(リバイズド)編になります。
マジックを振り返る(アラビアンナイト編)
マジックを振り返る(アラビアンナイト編)
マジックを振り返る(アラビアンナイト編)
当初は現実世界のアラビアンナイトそのものをカードセットにしたブロックでしたが、後にアラビアンナイト風のラバイアという次元の話だと改められました。
このセットでエキスパンションごとに背景デザインを変えるという案もありましたが、直前で棄却されました。そういう意味でも大きな歴史の転換期でした。

また、初めてエキスパンションシンボルの導入されたセットでもあります。

収録されているカードはアラビアンナイトのお話を元にしたため、独特の効果を持つものが多いです。
現在の色の役割で見ると明らかにそこから逸脱しているものも散見されます。(Ali from CairoやDrop of Honeyが有名)

有名な逸話を再現したカードではElephant GraveyardやDiamond Valley、アリ・ババなどが有名。

基本土地は収録しない予定でしたが手違いで山のみ収録してしまいました。
そのため、最も数の多い基本地形は山だと言われることも。

後に島の禁止というジョーク記事でマーク・プール氏が書き下ろしでアラビアンナイトの島を手がけたことも。(勿論実際には刷られていません)

今回もありがとうございました、次回はアンティキティー編です。
こちらもカードの収録内容はαβと変わらない内容ですが、史上初めて白枠で刷られたセットになります。
”再録カードだけで構成されたセットは白枠で収録する”という方針がここで作られました。これは、再録カードの価値の下落をせき止めるウィザーズの配慮だと思われます。
ここから10版まで基本セットは再録カードだけで構成されたセットになり、FOILやその言語での初めての収録の基本セット以外は白枠で収録されることになります。
ただし10版マジック15周年を記念して、例外的に全てのカードが黒枠で収録されています。(結局それ以降の基本セットは全て黒枠に方針転換されましたが)

また、”英語のみで”販売された最後の基本セットでもあります。

アンリミテッドの発行数はαとβの数を足して2倍した数ほどとされています。
そのためパワー9が収録されたセットの中では最も安価で購入することが可能なセットになっています。
ただし、この頃まではレア枠に基本土地が入っている可能性があるので、高額で購入するもそちらを当ててしまい絶望したプレイヤーもいるとか。

次回アラビアンナイト編、ご期待ください!
αの想定外のヒットにより、ウィザーズは増刷を余儀なくされました。
そこで生み出されたのがこのβ。
ここから角の仕様が変更され、現在まで使われているものに変わりました。
また角だけではなく、一部カードのテキストも改行で若干見やすくなっています。

また、印刷ミスの多かったαから修正が行われました。
有名な例はαで入れ忘れていたVolcanic Island、黒の防御円が収録されたこと等です。
印刷ミスは修正したものの、α版のカードが少量同梱されている場合があるなどまだまだ管理の甘い所もありました。

また、現在はαの方がβよりも高額で取引されるため、βのカードの角をα風にカットして売ろうとする悪質なバイヤーも存在したそうです。

アンリミテッド編も1週間後を予定しています。
次回もよろしくお願いします!
マジックを振り返る(α編)
αは1993年、マジックで初めて刷られたパックとしてこの世に生を受けました。
この記念すべきセットにはエターナルフォーマットの花形”パワー9”や”デュアルランド”が収録されており、それらは今日でも破格のハイレートで取引されています。

当時は現在と違い、セット全体では無くカード1枚1枚の単位でデザインを行っていたため、良く言えば非常に個性的な、悪く言えば全く纏まりがないセットになっています。
この方針はアイスエイジブロック前後まで続きます。

元々は6か月100万枚の販売ペースを予定していましたが、現実は1週間で売り切れてしまったとされています。
結果、βアンリミテッドが増刷されることになりました。

αは他のマジックのカードと違いカードの角が丸くカットされています。
そのためスリーブなしでプレイする場合は容易にカードの判別がついてしまいます。
現在はルール上不透明のスリーブを着用すれば他のカードと混ぜて使用することが可能になりましたが、当時はαはαのカードだけでデッキを組まないと使用不可能でした。(世界初のカードセットという事もあり、スリーブがそもそも普及してなかったという事情もあったのでしょうね)
そのため一時期はαのカードよりもβの方が高額で取引されていました。

カードデザインについてですが、当初はそもそも一個人が大量の同じカードを集めてデッキを組むこと自体を想定していなかったので(枚数制限もまだありませんでした)、明らかに強力なカードもあえて修正せずに作ったとされています。

次回β編も1週間後に語ろうと思います。
次回もよろしくお願いします!

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