モダンマーフォーク(初心者向け記事)キープ基準・サイド編
モダンマーフォーク(初心者向け記事)キープ基準・サイド編
モダンマーフォーク(初心者向け記事)キープ基準・サイド編
前回のデッキの解説の続き記事です。
http://lotuspetal.diarynote.jp/201707092332533590/


キープ基準

基本的には通常のアグロ、ビートと同じで、”生物を早期に展開できるか”を見ます。
バイアルはその点で見ると非常に重要な1枚ですが、肝心の生物とセットで揃っていることが前提になります。
ランド1でバイアル有はキープですが、生物1でバイアル有はマリガンしましょう。
バイアルはランドの代わりにはなりますが、生物の代わりには成り得ません。

例,1
変わり谷、島、霊気の薬瓶、呪い捕らえ、アトランティスの王、銀エラの達人、四肢切断

お手本のようなキープハンド。
1t目にバイアルスタートでき、2t目には銀エラ、バイアル経由で呪い捕らえを展開、3t目ロード着地で順当に殴っていけるのが見えているからです。

例,2
島、霊気の薬瓶、真珠三叉矛の達人、広がりゆく海、潮流の先駆け×2、メロウの騎兵

土地事故気味ですが、バイアルから生物を展開していけるのでキープ。
生物自体はしっかりと良いのが揃っているので、仮に土地が引けなくてゆっくりしたスタートになっても十分巻き返せます。
ただし2ゲーム目以降相手のデッキが分かっている場合、マッチによってはマリガンする場合もあります。(高速コンボ相手など)

例,3
魂の洞窟、島、霊気の薬瓶×2、波使い、四肢切断、呪い捕らえ

こちらはマリガンハンド。
バイアルはあるものの、肝心の生物が2枚しかなく、ロードでもキャントリップ持ちでもありません。
あまりにも打点が足りないので勝ち切ることは難しいです。
良いカードをトップで引いていくことを期待するよりも、6枚でもより良いハンドを求めてマリガンする方が賢明でしょう。

サイドボード

・はらわた撃ち
親和やカウンターカンパニー対策です。
タフの上がらない親和クリーチャーや療治の侍臣を倒します。
マナを寝かさずにクリーチャー除去が出来るのでマーフォークにはぴったり。

・海の要求
見ての通り、トロン対策です。
メインの海と併せて縛り、減速させます。
正直やり過ぎ感はありますが、トロンは今一大勢力なので採用。

・払拭
シャドウ系などが積んでいる除去への対策。
モダンの除去はインスタントに寄っているためです。
部族は頭数が減ると途端に弱くなるので守ってあげるのが大事です。

・大祖始の遺産
ドレッジ対策兼グリクシスシャドウ対策。
特にドレッジ戦ではこれの有無で勝率が変わってきます。
グリクシスシャドウの探査を邪魔できるのも魅力。

・残響する真実
罠の橋などの致命的なメタカードを弾きます。
今の環境だと罠の橋を取ってくるデッキが多いので採用しました。
ストーム系相手でも多少足を遅らせられるので有効。

・統一された意思
ストームやスケープシフトなどクリーチャー少なめのコンボ対策。
2マナの確定カウンターでコンボの出鼻をくじきます。
マーフォークがこれを投入するマッチで数で負けることはあまり考えられないので、かなりマッチしています。

青の部族デッキの中でも最強のデッキ、マーフォーク。
生物で劣っているのは平均であって、こういう突出した青生物もいるんだぞ!というのを教えてくれるデッキです。
あなたもお魚天国で遊んでみましょう!

今回もありがとうございました!
モダンマーフォーク(初心者向け記事)
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モダンマーフォーク(初心者向け記事)
マーフォークは10体以上のロードで圧殺する部族ビートデッキです。
他の部族にない強力な2マナロードの存在により、青とは思えない強力な打点を稼ぎ出します。
以下レシピを見ながら詳しい解説をしていきましょう。

サンプルレシピ
土地(19)
1 水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge
1 雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds
1 ワンダーワインの分岐点/Wanderwine Hub
2 魂の洞窟/Cavern of Souls
4 変わり谷/Mutavault
10 島/Island

クリーチャー(30)
4 呪い捕らえ/Cursecatcher
4 アトランティスの王/Lord of Atlantis
4 真珠三叉矛の達人/Master of the Pearl Trident
4 潮流の先駆け/Harbinger of the Tides
4 銀エラの達人/Silvergill Adept
4 メロウの騎兵/Merrow Reejerey
4 波使い/Master of Waves
2 大いなる玻璃紡ぎ、綺羅/Kira, Great Glass-Spinner

インスタント(3)
3 四肢切断/Dismember

アーティファクト(4)
4 霊気の薬瓶/Aether Vial

エンチャント(4)
4 広がりゆく海/Spreading Seas

サイドボード(15)
2 払拭/Dispel
3 はらわた撃ち/Gut Shot
3 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
3 海の要求/Sea’s Claim
2 残響する真実/Echoing Truth
2 統一された意思/Unified Will



・アトランティスの王、真珠三叉矛の達人
驚異の2マナロード。しかも2種類も。
打点強化と同時に島渡りも付与するので青系デッキにぶっ刺さります。
非青系に対しても広がりゆく海で備えは万全。
マーフォークデッキがマーフォークデッキたる所以のカード。

・呪い捕らえ
メイン唯一の(厳密には綺羅も打ち消し能力ではありますが)青らしいカウンター要素。
1マナ1/1という貧弱スペックで、能動的に何かしたりはしませんが、非常に重要な1枚です。
相手からすると除去やコンボ用のスペルを撃てないように邪魔され、ロードや綺羅、波使いなど致命的なカードへのカウンターを妨害されているという嫌らしい働きをしていることが多いです。
相手側の思考がこちらから見えないために弱いと勘違いされがちですが、その実超重要なカードです。
バイアルから出すことで通常の見えてるカウンターから見えないカウンターへの応用も可能。

・変わり谷
あらゆるクリーチャータイプを持つミシュラランド。お上品なおばさま。
当然マーフォークのロードの影響も受け、よく3/3、4/4のアンブロとして殴りかかっています。
勿論、全体除去で流された後のリカバリーとしても優秀。
マーフォークだけでなくエレメンタルでもあるので、波使いのエレメンタルロード能力でも強化されるのを覚えておきましょう。

・霊気の薬瓶
通称バイアル。
親和やエルフのようなマナジャンプのないこのデッキはこれを使ってクリーチャーを展開していきます。
非常に使い道が豊富で、それ故このデッキで最も扱いが難しいカードにもなっています。
インスタントタイミングでのロードでクリーチャーを生き残らせる(または打点を上げる)、呪い捕らえによるカウンター、全除去の返しでの展開etc・・・
これに関してはもう慣れるしかないので経験を積むことが必須と言えるでしょう。
因みに起動スタックでハンデスされ、対応するクリーチャーを落されると解決時に何も出せなくなるのでヴェンディリオンには注意しましょう。
慣れてくると逆にブラフで起動、相手のヴェンディリオンを誘ったりすることも。
アップキープでの誘発を初心者は忘れがちなのでそこも注意。

・銀エラの達人
キャントリップ付き2マナ2/1。
追加コスト3マナorマーフォークカードの公開コストがついていますが、払えないことは稀でしょう。
バイアル経由ならそもそもコスト自体も生じません。
ハンド消費無しでクリーチャーを増やせるので除去の多いデッキに対して有用な働きをしてくれます。(除去は基本的には1対1交換、相手側は除去に1枚ハンドを使っていますが、こちらはキャントリップのため枚数的な損はしていないという計算になります)

・メロウの騎兵
アトランティスの王、真珠三叉矛の達人に続く第三のロード。
これだけ3マナかつ島渡り付与もありませんが、マーフォーク呪文に誘発してパーマネントをタップorアンタップさせてくれます。
これで土地やバイアルを起こすことで1ターンに大量展開することが可能になります。
マーフォークの最強の動きはこれに起因した手札の使い切りでしょう。

・広がりゆく海
エンチャント先の土地を強制的に島にするエンチャント。キャントリップ付き。
非青系デッキにもロードの島渡りを有効にしてくれます。
相手の色マナを縛る(ただしこれには複数枚が必要になる場合が多い)、ウルザランドや≪エルドラージの寺院≫を島にしてしまう、ミシュラランドを封じる、≪楽園の拡散≫を剥がすなど使い道は中々に豊富。
特に今はトロン、エルドラージ系デッキが環境に数居るので有用な場面も多いです。

・波使い
4マナと重く、赤以外の除去耐性が無い難点はあるものの、1枚でとんでもない数のトークンを生成して盤面を埋めてしまいます。
フェアデッキはこれだけで悶絶必至。
ただ、コンボデッキには速度が足りないのでアウトすることも多々。
マーフォークは自然と青信心が貯まりやすい構成をしているのでその点は非常にマッチしています。
綺羅との相性良し。

・大いなる玻璃紡ぎ、綺羅
マーフォークではありませんが、自軍全体に単体除去への耐性を与えてくれる偉い奴。
対フェアデッキ用のカードとして除去に弱い宿命の部族デッキをバッチリ守ってくれます。


・四肢切断
黒マナを支払う気0の除去。
マーフォークでは超えられないサイズのアンコウやエルドラージをどけてくれます。
マナを使い切ることが多いこのデッキでは(ライフ消費は無視できるものではありませんが)1マナでクリーチャーをどうこう出来るのが大きいです。
2マナ以降の除去やカウンターはこのデッキとの相性が良くないため、ここの枠は≪蒸気の絡みつき≫かこれかをメタに合わせて入れ替えるのが一般的です。

・潮流の先駆け
ビートダウン同士のマッチに非常に強いマーフォーク。
バウンスによって生物を戻し、テンポアドバンテージを稼いでくれます。
バイアルとの相性も中々。
メロウが同伴すればなお良し。

・魂の洞窟、ワンダーワインの分岐点、水辺の学舎、水面院、雲の宮殿、朧宮
このデッキは構成上土地の内島が占めるスペースが非常に多いです。
その結果、モダンに存在する≪窒息≫、≪沸騰≫と言った強烈な対島メタカードの影響をもろに受けることになります。
それに対するささやかな抵抗で一見無駄にも思える朧宮などが入っています。
魂の洞窟はそれプラス、普通に青系コントロールに対して有用な定番部族土地です。
メインは広がりゆく海、綺羅以外に色マナを要求される非マーフォーク呪文が無いのでメリットに対して目立ったデメリットがほぼありません。

次回、キープ基準&サイドボード編へ続きます。

今回もありがとうございました!
白黒エルドラージ(初心者向け記事)
GP神戸で優勝していたので、簡単な解説を。
まず、白黒エルドラージは、≪変位エルドラージ≫を主軸に組んだエルドラージデッキをベースに黒をタッチしたことで≪潮の虚ろの漕ぎ手≫などが採れるようになったデッキです。
そこからさらに進んで、≪変位エルドラージ≫不採用の型も出てきました。今回の優勝デッキもそのタイプ。
そのため、今回は≪変異エルドラージ≫不採用の優勝レシピを例に解説していきます!
まずはレシピをどうぞ!

土地 23
3 沼/Swamp
1 平地/Plains
4 エルドラージの寺院/Eldrazi Temple
2 神無き祭殿/Godless Shrine
4 秘密の中庭/Concealed Courtyard
4 コイロスの洞窟/Caves of Koilos
1 悪臭の荒野/Fetid Heath
4 変わり谷/Mutavault

クリーチャー 16
4 難題の予見者/Thought-Knot Seer
4 不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler
3 現実を砕くもの/Reality Smasher
1 叫び大口/Shriekmaw
4 潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler

インスタント 7
4 流刑への道/Path to Exile
2 致命的な一押し/Fatal Push
1 四肢切断/Dismember

ソーサリー 9
3 コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
1 思考囲い/Thoughtseize
1 集団的蛮行/Collective Brutality
4 未練ある魂/Lingering Souls

アーティファクト 5
4 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
1 漸増爆弾/Ratchet Bomb

サイドボード 15
3 石のような静寂/Stony Silence
3 大爆発の魔道士/Fulminator Mage
2 外科的摘出/Surgical Extraction
2 神聖な協力/Blessed Alliance
2 ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet
1 解呪/Disenchant
1 排斥/Cast Out
1 思考囲い/Thoughtseize

ではカードを見ていきましょう。
やはりこのデッキで最も特徴的なのは≪不毛の地の絞殺者≫。

Wasteland Strangler / 不毛の地の絞殺者 (2)(黒)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi) 昇華者(Processor)
欠色(このカードは無色である。)
不毛の地の絞殺者が戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。あなたは追放領域から対戦相手がオーナーであるカードを1枚そのプレイヤーの墓地に置いてもよい。そうしたなら、ターン終了時まで、そのクリーチャーは-3/-3の修整を受ける。
3/2

やや地味ですが、追放領域に干渉するという特性をこのデッキでは存分に発揮し、大活躍します。
追放領域のコスト稼ぎ枠にはエルドラージの必須カード≪難題の予見者≫&≪流刑への道≫は当然入っていますが、それだけではありません。
コストにとどまらないのがこのエルドラージ。
≪潮の虚ろの漕ぎ手≫やサイドボードの≪排斥≫で一時的に追放しているカードを墓地に戻すことでノーデメリットのハンデス&除去に変えてしまいます!
メインボードで4積みされている≪大祖始の遺産≫も安定して追放領域にカードを送ってくれるナイスカード。
これを4積みしたことでメインから墓地利用系デッキを強烈にメタれているのもすごい。
また、モダンのトップメタの一つ、デスシャドウデッキに対してもグリクシス、ジャンドの両方の型にも有効です。
グリクシスの方はアンコウやタシグル、コラガンの命令、スナップキャスターやリリアナとなかなかの墓地依存度。
ジャンド型も当然ウルヴェンワルドやタルモゴイフが居るので依存度は高いです。
役に立たなくても最悪1ドローに替えられるのも嬉しいですね。

≪幽霊街≫が不採用でミシュラランド枠として≪変わり谷≫が4採用されているのも特徴的。
考えられる理由は
・全体的にややクリーチャーが少なめなのでそこの増強
・無色マナ源と打点の両立
といった所でしょう。

また、細かい話をすると≪致命的な一押し≫の採用も面白いですね。
≪致命的な一押し≫はそもそも、流行のデスシャドウデッキによく効くためにモダンで大人気のカードですが、フェッチランドの使用を前提にしているためフェッチを採用しないタイプのデッキでは敬遠されがちです。
しかしこのデッキでは前述の通り大祖始の遺産を4枚積んでいて、いつでも条件を満たす事ができます。
叫び大口の想起でも達成が出来るので、(そもそも条件未達成でもそこそこ強い除去なのもあって)見た目よりも大分使いやすいのではないでしょうか。

叫び大口は大歓楽の幻霊をすり抜けられる(実質的な)2マナ除去としても非常に優秀。
メインボードでのバーン対策カードが他には≪集団的蛮行≫くらいしかないので大きな意味を持つ1枚です。
このデッキなら素のコストで出てきてフィニッシャーになることもあるので十分以上にデッキにマッチしたカード。

≪未練ある魂≫4枚の採用はデスシャドウを意識してでしょう。
これに限らず、デッキ全体がデスシャドウをかなり意識した構成になっているのは間違いないです。
実際デスシャドウにはかなりの有利が付いていますね。

サイドボードも適切なものがきちんと採用されています。
≪大爆発の魔道士≫はトロン対策。
≪ゲトの裏切り者、カリタス≫はバーンなどのライフを責めてくるデッキ全般とドレッジなどの墓地利用両方への解答になっています。
≪石のような静寂≫は言うまでもなく親和対策でしょう。
≪外科的摘出≫はストーム、ドレッジ対策。
≪神聖な協力≫は全てのモードがデスシャドウとバーンに有効な強力な対策カード。
その他のカードもモダン特有の汎用性の高いサイドカードになっています。

では、簡単なキープ基準を。

このデッキはエルドラージの寺院から高速で難題の予見者や現実を砕くものを叩き付けるエルドラージ特有の動きもありますが、メインの動きはジャンドなどに近いハンデスビートの動きです。
前半をハンデスで捌きながら、中盤以降は不毛の地の絞殺者などで畳みかけていくのが基本の動き。

例1
≪思考囲い≫、≪コジレックの審問≫、≪大祖始の遺産≫、≪流刑への道≫、≪未練ある魂≫、≪平地≫、≪神無き祭殿≫
キープ
2色+カラーレスのデッキなので頻度は多くないものの、土地事故自体は起こります。
土地の基準に関しては序盤の色マナが重要なので、ランド2以上で白と黒が両方出るのならカラーレスが出なくてもキープです。
今回の場合はまさにその典型的なケースです。
≪大祖始の遺産≫をドローに回せるのもグッド。
このハンドでデスシャドウに前半殺されることはほぼ無いでしょう。

例2
≪致命的な一押し≫、≪沼≫、≪エルドラージの寺院≫×2、≪難題の予見者≫、≪未練ある魂≫、≪流刑への道≫
キープ
白マナが出ないものの、他のカードが強力なのでキープ。
2t目に予見者を叩き付ければとりあえずは序盤を凌ぐ事ができるでしょう。

例3
≪平地≫、≪変わり谷≫、≪エルドラージの寺院≫、≪思考囲い≫、≪不毛の地の絞殺者≫、≪潮の虚ろの漕ぎ手≫、≪漸増爆弾≫
マリガン
かなり悩ましいですが、マリガン。
やはり黒マナが出ない事には唱えられないカードの枚数が多すぎます。
漸増爆弾だけで耐えるのは流石に現実味がないでマリガン。

製作者様のキープ基準とは相違あるかもしれませんが、とりあえずこれで回す事ができるのではないでしょうか。

それにしても、GPの結果を見る限り今のモダンのデッキの多様性はすさまじいですね。
アメリカでの根強い人気も頷けます。
今回はエルドラージが優勝しましたが、今後どんなデッキが戦績を挙げても不思議ではないでしょう。
現環境は近年でも稀に見る面白さなので、GPが終わってからも全国的に遊ばれるとモダンプレイヤー的にうれしいです!
今回もありがとうございました!
エルドラージトロン(初心者向け解説記事)
エルドラージトロン(初心者向け解説記事)
エルドラージトロン(初心者向け解説記事)
今回はモダン環境の顔であるウルザトロンに戦ゼンブロックのエルドラージを組み込んだデッキ、”エルドラージトロン”を解説していきます。

まず、”ウルザトロンとは何ぞや?”という所から解説していきます。
ウルザトロンとはその名の通り、”ウルザの”土地であるウルザの鉱山、ウルザの魔力炉、ウルザの塔から出る大量の無色マナを利用するビッグマナデッキの事です。
ウルザの鉱山、ウルザの魔力炉、ウルザの塔は単体だと無色1マナしか産み出しませんが、戦場に3種のウルザの土地が揃うと鉱山と魔力炉は2マナ、塔は3マナを出せるようになります。
これを利用して通常では唱えがたいマナ域のカードを相手に叩き付けていき、勝利するのがウルザトロンです。

では、”エルドラージトロンは通常のトロンと何が違うのか?”ですが、通常のトロンが何がしかの色を1,2色足すのに対して、エルドラージの場合はウルザの土地に加えてエルドラージ専用の2マナランド、 エルドラージの寺院を採用し、完全な無色デッキに構築されています。
この2マナランドも利用して、難題の予見者などで対戦相手に理不尽を押し付けながら、さらに高マナ域のエルドラージを呼び出していきます。

では、レシピを見ていきましょう。
今回のサンプルレシピはmtgゴールドフィッシュから転載させていただきました。(https://www.mtggoldfish.com/deck/637955#online

土地 24
4 エルドラージの寺院/Eldrazi Temple
4 ウルザの鉱山/Urza’s Mine
4 ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant
4 ウルザの塔/Urza’s Tower
4 幽霊街/Ghost Quarter
2 荒地/Wastes
1 海門の残骸/Sea Gate Wreckage
1 魂の洞窟/Cavern of Souls

クリーチャー 19
4 作り変えるもの/Matter Reshaper
4 難題の予見者/Thought-Knot Seer
4 現実を砕くもの/Reality Smasher
3 終末を招くもの/Endbringer
4 歩行バリスタ/Walking Ballista

インスタント 3
3 四肢切断/Dismember

ソーサリー 2
2 全ては塵/All Is Dust

アーティファクト 10
4 虚空の杯/Chalice of the Void
4 探検の地図/Expedition Map
2 精神石/Mind Stone

プレインズウォーカー 2
2 解放された者、カーン/Karn Liberated

サイドボード 15
2 バジリスクの首輪/Basilisk Collar
1 墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage
2 真髄の針/Pithing Needle
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
2 外科的摘出/Surgical Extraction
2 漸増爆弾/Ratchet Bomb
2 歪める嘆き/Warping Wail
1 世界のるつぼ/Crucible of Worlds
1 全ては塵/All Is Dust

まずはデッキの主役、クリーチャーから見ていきましょう。

Matter Reshaper / 作り変えるもの (2)(◇)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
((◇)は無色マナを表す。)
作り変えるものが死亡したとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開する。それが、点数で見たマナ・コストが3以下のパーマネント・カードであるなら、あなたはそのカードを戦場に出してもよい。そうでないなら、そのカードをあなたの手札に加える。
3/2

中々のマナレシオを持つ軽量エルドラージ。
このデッキでは寺院から最速2tで着地してくるので、相手からしたら堪ったものではないです。
モダンの追放除去は忘却の輪系以外では、基本的に流刑への道位なので、どうあっても最低限の働きをしてくれる名選手。(パスでも荒地を持って来られる)
また、PIGは戦場に”出してもよい”なのでバリスタを間違えて出さないようにしましょう。


Thought-Knot Seer / 難題の予見者 (3)(◇)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
((◇)は無色マナを表す。)
難題の予見者が戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札を公開する。あなたはその中から土地でないカードを1枚選び、そのカードを追放する。
難題の予見者が戦場を離れたとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚引く。
4/4

CIPでハンデスをするエルドラージ。
本体サイズが4/4なので、盤面に脅威を置きつつ相手の手札を検閲できます。
このカードはスタンからヴィンテージまであらゆる環境で猛威を振るったので、如何に強力かは今更説明の必要もないでしょう。
強いて言うなら”超強い、マスト4枚積み”という事だけ覚えておきましょう。


Reality Smasher / 現実を砕くもの (4)(◇)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
((◇)は無色マナを表す。)
トランプル、速攻
現実を砕くものが対戦相手がコントロールする呪文1つの対象となるたび、その呪文のコントローラーがカードを1枚捨てないかぎり、それを打ち消す。
5/5

こいつも色々なデッキで大暴れした(している)エルドラージの一体。
5マナ5/5トランプル、速攻、除去耐性持ちとかなりのマナレシオに加えて、専用デッキなら寺院でのサポートによりさらに早いターンに飛んで来ます。
3t目とかに着地した時は暴力そのもの、無論このデッキでも4枚の採用。


Endbringer / 終末を招くもの (5)(◇)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
他の各プレイヤーのアンタップ・ステップに、終末を招くものをアンタップする。
(T):クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。終末を招くものはそれに1点のダメージを与える。
(◇),(T):クリーチャー1体を対象とする。このターン、それでは攻撃したりブロックしたりできない。
(◇)(◇),(T):カードを1枚引く。
5/5

盤面制圧エルドラージ。
相手の布陣を捌ききった後に、頭を押さえつけるためのクリーチャーです。
能力の1点ティムでシステムクリーチャーやヤンパイ、リンリントークンetcを焼き尽くし、戦闘抑止能力で相手のチャンスをつぶし、隙あらばドローします。
全てを塵にされた後にこいつを出されたりしたらもうおしまいですね。
また、サイドボードのバジリスクの首輪を装備することで接死ティムにもなります。


Walking Ballista / 歩行バリスタ (X)(X)
アーティファクト クリーチャー — 構築物(Construct)
歩行バリスタは、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。
(4):歩行バリスタの上に+1/+1カウンターを1個置く。
歩行バリスタの上から+1/+1カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。歩行バリスタはそれに1点のダメージを与える。
0/0

カラデシュブロックからの新選手。
エルドラージではありませんが、マナコスト(X)(X)故に序盤、中盤、終盤何時来ても常に一定の強さが有ります。
このデッキが苦手とする親和などの高速ビートダウンや月の大魔術師への数少ない対抗手段。
こちらもバジリスクを付けることでとんでもないことに。


では、スペルも見ていきましょう。

All Is Dust / 全ては塵 (7)
部族 ソーサリー — エルドラージ(Eldrazi)
各プレイヤーは、自分がコントロールするすべての有色のパーマネントを生け贄に捧げる。

まずはトロンの標準装備、全ては塵。
7マナなのでウルザの土地が全て揃えばそこから撃つ事ができます。
そこに加えてこのデッキタイプでは、無色のエルドラージ呪文なので寺院を使う事も可能になっています。
有色のパーマネントのみを吹き飛ばすので、基本的には相手のみの全体除去になっています。
反面、ミラーマッチでは”7マナ、何もしない”と書いているのと等しいので常に採用枚数は悩みどころ。


Dismember / 四肢切断 (1)(黒/Φ)(黒/Φ)
インスタント
((黒/Φ)は(黒)でも2点のライフでも支払うことができる。)
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-5/-5の修整を受ける。

全抹消者が泣いた鬼畜除去呪文。
このデッキ唯一の有色呪文ですが、色マナはファイレクシアマナなので実際には1マナ、ペイ4ライフの無色の除去呪文です。
相手クリーチャーに干渉する手段に乏しいこのデッキの貴重な除去枠。
特に月の大魔術師をその影響の上から殺せるのが嬉しいですね。


続いて置物。

Chalice of the Void / 虚空の杯 (X)(X)
アーティファクト
虚空の杯はその上にX個の蓄積(charge)カウンターが置かれた状態で戦場に出る。
プレイヤーが、この上に置かれている蓄積カウンターに等しい点数で見たマナ・コストを持つ呪文を1つ唱えるたび、その呪文を打ち消す。

こちらは苦手な速度の速いデッキに対してかなり有効。
0,1で置けばバーンや親和にマウントポジションを取れます。
また、本来苦手とするはずのリビングデスや均衡の復元デッキに対して0で置くことで致命傷を与える事ができます。


Expedition Map / 探検の地図 (1)
アーティファクト
(2),(T),探検の地図を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから土地カードを1枚探し、それを公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。

トロンの標準装備。
これで揃っていないウルザの土地を探せるのでトロン必須パーツの1つ。
既に揃っている場合はさらにマナを伸ばすか海門の残骸をサーチしよう。
残念ながら自分のチャリスの1に引っかかってしまうこのデッキ唯一のカード。


Mind Stone / 精神石 (2)
アーティファクト
(T):あなたのマナ・プールに(◇)を加える。
(1),(T),精神石を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。

マナファクト兼いざって時にはドローにも充てられる便利くん。
必ず採られているわけではないですが、あると安定します。
月の上から荒廃マナを捻出できるのも強み。
まさに潤滑油のような存在。


Karn Liberated / 解放された者、カーン (7)
プレインズウォーカー — カーン(Karn)
[+4]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札からカードを1枚追放する。
[-3]:パーマネント1つを対象とし、それを追放する。
[-14]:解放された者、カーンにより追放された全てのオーラ(Aura)でないパーマネント・カードを別にした状態にしたまま、ゲームを再び開始する。その後、それらの別にしたカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。
初期忠誠度:6

丁度ウルザランド3枚分のマナから出るのが良いフレーバーのPW。
ひたすら圧倒的な盤面制圧能力でトロンを代表するカードの1枚。
3t目に出られればほぼほぼ勝ち(トロンはそういうカードがカーンに限らず多いですが)。
大体の場合奥義を撃つよりもプラスとマイナスで締め上げた方が強いので、奥義の事はあまり意識せずにプレイしましょう。

続いては土地です。
ウルザランド3種、エルドラージの寺院に関しては既に言うことなし。


Ghost Quarter / 幽霊街
土地
(T):あなたのマナ・プールに(◇)を加える。
(T),幽霊街を生け贄に捧げる:土地1つを対象とし、それを破壊する。それのコントローラーは、自分のライブラリーから基本土地カードを1枚探してもよい。そうした場合、それを戦場に出し、自分のライブラリーを切り直す。

モダンの土地破壊の中では最強クラスの土地。
同系対決の際にはこれの有無、採用枚数で決着が付いてしまう事があるほどに重要です。
サイドの世界のるつぼと併せれば相手のデッキの土地をほぼ枯渇させてしまう事も。
場合によっては血染めの月や月の大魔術師の着地にスタックして自分の土地に起動し、荒地をサーチして荒廃マナを確保しましょう。


Wastes / 荒地
基本土地
(T):あなたのマナ・プールに(◇)を加える。

無色版基本土地。
モダンは幽霊街、流刑への道が横行しているので採っておくとなかなか良いです。
前述の動きでの荒廃マナ源にも。


Sea Gate Wreckage / 海門の残骸
土地
(T):あなたのマナ・プールに(◇)を加える。((◇)は無色マナを表す。)
(2)(◇),(T):カードを1枚引く。この能力は、あなたの手札にカードがないときにのみ起動できる。

ドロー能力持ちの土地。逆アレクサンドリア。
長期戦に強くなります。
大体このデッキはハンドを盤面に叩き付けていくので条件を満たすのは容易いでしょう。
1枚でも探検の地図から持って来る事ができるので1差しが多いです。


Cavern of Souls / 魂の洞窟
土地
魂の洞窟が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。
(T):あなたのマナ・プールに(◇)を加える。
(T):あなたのマナ・プールに好きな色1色のマナ1点を加える。このマナは、選ばれたタイプのクリーチャー呪文を唱えるためにのみ使用でき、その呪文は打ち消されない。

こちらもマップからのシルバーバレット要員。
クリーチャーを打ち消されなくできるのでビッグマナの苦手な打ち消しの上からエルドラージを叩き付けてやれます。
初心者の方が良く勘違いされますが、無色のマナも生むことが出来るので荒廃マナの支払いに充てることも出来ます。


それではキープ基準に付いてお話ししましょう。

まず、トロンデッキにおけるキープ基準は、当たり前ですが”ウルザの土地が揃えられそうか?”です。
このデッキの構築はウルザランドが揃っている前提でカードが採用されています。
それが揃わなければ、当然ただの”クソ重いカードばかり採ったとろとろしたデッキ”でしかありません。
機能不全のトロンデッキが勝てるほど甘くはありません、マリガンしましょう。

ですが、このデッキはエルドラージトロン。
ウルザの土地が揃っていない場合でも、寺院が有る場合はキープすることもあります。
ウルザランドが早期に揃わなくても、矢継ぎ早にエルドラージを打ち出せばそのまま勝てるからです。

具体的な例を挙げていきましょう。

例.1 ウルザの鉱山×2、エルドラージの寺院、作り変えるもの、難題の予見者、歩行バリスタ、虚空の杯

こちらはキープです。
ウルザランドは不揃いなものの、2t目作り変えるもの、3t目難題の予見者が確定しているからです。

例.2 ウルザの鉱山、ウルザの塔×2、探検の地図、解放された者、カーン、四肢切断、終末を招くもの

こちらもキープ。
地図からウルザの土地を揃え、3ターン目にはカーンを、それがダメでも終末を招くものを唱える事ができるからです。

例.3 ウルザの塔、荒地、海門の残骸、解放された者、カーン、現実を砕くもの、虚空の杯×2

こちらはマリガンです。
ウルザの土地は揃わない上、エルドラージも早期着地できるものがいません。
ただし、相手のデッキが分かっている場合はキープする事があります。
虚空の杯が2枚あるので、リビングデスのようにそれが強烈に効く相手にはキープしましょう。
虚空の杯が有り、先手の場合なら相手次第ではキープ。
杯もウルザランドも寺院もないならマリガンと覚えましょう。

エルドラージトロンはトロンとエルドラージ特有のブン回りを搭載して気持ちがいい上に、従来のトロンよりも月やランデスにましな構築の良いデッキです。
カーン以外の必須パーツは比較的安価ですし、新規にモダンを始められる方にどうでしょうか?
今回もありがとうございました!
モダン白単エメリア(初心者向け記事)
モダン白単エメリア(初心者向け記事)
モダン白単エメリア(初心者向け記事)
今回はモダン環境の白単エメリアを紹介したいと思います。
まずはレシピを見ながら基本の動きを解説します。

白単ライフゲイン サンプルレシピ
土地 24
平地/Plains 11
トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair 4
霧覆いの平地/Mistveil Plains 2
空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin 2
幽霊街/Ghost Quarter 4
魂の洞窟/Cavern of Souls 1

クリーチャー 18
砂の殉教者/Martyr of Sands 4
セラの高位僧/Serra Ascendant 4
雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer 2
戦隊の鷹/Squadron Hawk 4
イーオスのレインジャー/Ranger of Eos 4

インスタント 4
流刑への道/Path to Exile 4

ソーサリー 7
神の怒り/Wrath of God 4
再誕の宣言/Proclamation of Rebirth 3

エンチャント 6
ルーンの光輪/Runed Halo 1
払拭の光/Banishing Light 1
忘却の輪/Oblivion Ring 1
亡霊の牢獄/Ghostly Prison 4

このデッキは文字通り、ライフゲインにより6/6にサイズアップしたセラの高位僧をフィニッシャーにした白コントロールデッキです。
コンセプトが同じライフゲインのソウルシスターズとはよく混同され、同じカテゴリーに分類される事もありますが、実態は全くの別デッキです。
シスターズとは”姉妹を採用していない。代わりに砂の殉教者を採用している。”というのが最大の相違点。
それに伴なってアジャニの群れ仲間も入っていません。
シスターズがライフゲインというイベントで誘発型能力を誘発させることに重きを置き、ライフの総量自体はあまり重視しないのに対し、白単ライフゲインはライフの総量そのものを最重要視しています。
砂の殉教者のライフ回復効率は姉妹の比ではありません。
このクリーチャーを最大限に生かすためにこのデッキは組まれています。
CIPで手札の白いカードの枚数を最大3枚増やす戦隊の鷹、砂の殉教者とセラの高位僧の両方をサーチ出来るイーオスのレインジャー、砂の殉教者とセラの高位僧を何度も戦場にリアニメイトして使いまわす再誕の宣言etc・・・

では、別個にカードを見ていきましょう。

・トロウケアの敷石
壊れると平地サーチする伝説土地。
幽霊街をこれに起動することで平地と基本土地をマナの損失無しでサーチ出来るのがうれしい所。
”平地”サーチなので霧覆いの平地もサーチ対象です。

・霧覆いの平地
白いパーマネント2つ以上をコントロールしている時に墓地のカードをライブラリーボトムに戻すことが出来ます。
これで戦隊の鷹を戻す、CIPでぐるぐるループさせられます。
基本土地タイプ‐平地を持っているので色々なサーチの対象にもなります。

・空の遺跡、エメリア
平地が貯まると毎ターンリアニしてくる土地。
雨ざらしの旅人や自分に撃ったパスで土地を伸ばしきれれば超強力。
長期戦を想定しての採用。

・砂の殉教者
デッキの核。
1マナサクリファイスでハンドの白いカードを任意数公開、公開した数×3点ライフゲインします。(例、4枚公開で12点ゲイン)
彼女をぶんぶん使い回すためのありとあらゆる手段がこのデッキには用意されています。

・セラの高位僧
ライフ30を超すと6/6絆魂飛行になる1マナ生物。
この条件さえ達成できればかなりのハイコストパフォーマンス。
元が1マナなので砂の殉教者と共にイーオスでサーチ出来ます。

・雨ざらしの旅人
相手よりも土地が少ない時に好きな土地をサーチ出来る生き物。
自分のトロウケア、幽霊街のサーチへスタックで一時的にランドカウントの減ったタイミングでの起動が出来ます。
ピン刺しの色んなギミックが使えるのが良い所。
このデッキでは魂の洞窟でパーミッションへ立ち回れるように。

・戦隊の鷹
CIPで同名カードをサーチしてくる鳥。
1枚で3枚分白いカードを増やせるので砂の殉教者とは抜群の相性を誇ります。
フライヤーなのも戦場に出た後のチャンプ要因としてはそこそこ。
霧覆いの平地で無限ループも成立可能。

・イーオスのレインジャー
CIPで1マナ以下のクリーチャーを最大2枚サーチ出来るリクルーター。
殉教者パッケージを1枚でそろえる事ができる上、本体も4マナ3/2とまあ及第点な性能。

・神の怒り
言わずと知れたリセットカード。
自分は再誕の宣言、エメリアで恒常的なリアニメイトが出来るのでクリーチャーの多いこのデッキにも4積みが可能。

・再誕の宣言
3マナで1マナ以下のクリーチャーを3体までリアニ、予見(5)(白)で1体リアニというハイスペックなリアニ呪文。
通常のキャストは殉教者、高位僧を複数対並べるとかなり危ない効果。
予見も失敗メカニズムの汚名に恥じない嫌らしいループで相手の攻撃を捌ききってくれます。

・亡霊の牢獄
白いプロパガンダ。
相手のクリーチャーの攻撃を制限することで、序盤を凌ぎやすくしてくれます。
また、無限トークン系のコンボに多少なりとも耐性が付きます。

このデッキはかなり安定した動きで、キープもかなり楽です。
単色なのも相まってマリガンする確率は他のデッキに比べてかなり低いでしょう。

反面、白単色の対ビートダウンに寄せたデッキなのでコンボ系へのメインでの不利は否めません。

キープ基準は以下になります。
大半のコントロールデッキと同じく、序盤を凌げるか否かを基準にします。
具体的には砂の殉教者、亡霊の牢獄が有る、神の怒り及びそれを唱えるために3,4枚の土地が有る等ならキープです。
このデッキはハンドの白いカードの数が重要なのでよっぽどのことが無い限りマリガンしませんが、以下のようなハンドならマリガンします。
・殉教者はあっても有色のカードが0,1枚
・ハンドのカードが4マナ圏以降しかない
・土地しかない、土地が無い等の土地事故
ではサンプルのハンドを見てみましょう。

例、1
砂の殉教者、セラの高位僧、トロウケアの敷石、幽霊街、亡霊の牢獄、神の怒り×2
こちらはキープです。
ハンドに十分な白いカード、殉教者と高位僧のセット、中盤の牢獄と終盤のリセットがあると文句なしのキープです。
土地が2と土地事故が起きる可能性はありますが、殉教者でゲインして高位僧を立てれば土地を引くまでに死ぬという事は余り無いでしょう。
このデッキは2t目に6/6のセラの高位僧で殴るのが最高の動きです。
なので1t目セラの高位僧キャスト→2t目殉教者キャスト&生け贄で動きます。
ここでもう一枚白いカードを引けなければライフが29でギリギリ条件を満たすことができなくなりますが、高位僧のライフゲインで30に到達するのでそこまでの問題では無いです。
相手側に壁を立たせられ、尚且つ白いカードを引けなかった場合は殴らずにロングゲームにプラン変更しましょう。

例、2
雨ざらしの旅人、砂の殉教者、霧覆いの平地、平地×2、空の遺跡、エメリア、魂の洞窟
こちらは白いカードが足りないのでマリガンです。
トップからイーオスレインジャーや鷹を引ければカウントを増やせますがマリガンの方が良いでしょう。
砂の殉教者は白いカードが無いと回復できない上に、このハンドだとマナを伸ばしたところでイーオスのレインジャーなどを引けなければ無意味です。

例、3
戦隊の鷹、砂の殉教者、平地×3、空の遺跡、エメリア、トロウケアの敷石
こちらはギリギリキープです。
白いカードが足りないように見えますが、戦隊の鷹はCIPで3枚に増えるので、何もなければ最低9点のゲインは保証されています。
1t目:エメリアセット→2t目:ランドセットから鷹プレイで鷹×3サーチ、土地をディスカード→3t目:殉教者で最低9点ゲインという動きが出来ます。


このレシピはかなりベーシックなもので、最近結果を残したものは世界のるつぼや偽りの希望の神が入っていてまた違ったレシピになっているようです。
ですが、今回は基本形を紹介させていただきました。

今回はここまでです。お読みいただきありがとうございました。
【ビギナー向け】ズアーコントロール(モダン)の解説
【ビギナー向け】ズアーコントロール(モダン)の解説
【ビギナー向け】ズアーコントロール(モダン)の解説
今回は以前から度々使用しているモダンのデッキ、ズアーコントロールがズアーの再録で組みやすくなったので布教目的で解説をします。

ズアーコントロールはモダンにおいてTier2、或いは3程に位置するそこそこのマイナーデッキです。
ズアーの”3マナ以下のエンチャント”サーチによるシルバーバレットを搭載したデッキというのはほぼ全てのズアーデッキに共通していますが、シルバーバレットの性質上デッキの組み方はかなり個人差が大きい類のデッキです。
比較的多いのはエスパーコントロールをベースにしているパターンですね。
ズアーが攻撃を開始するまで守るために相当数ハンデス、カウンター等が入るので自然とそういった形になることが多いという事でしょう。
サンプルデッキも用意したのでそれを見ながら解説に入っていきましょう。

土地 24枚

平地/Plains 1
沼/Swamp 1
島/Island 2
汚染された三角州/Polluted Delta 4
溢れかえる岸辺/Flooded Strand 3
湿地の干潟/Marsh Flats 3
神聖なる泉/Hallowed Fountain 2
神無き祭殿/Godless Shrine 1
湿った墓/Watery Grave 1
忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit 2
闇滑りの岸/Darkslick Shores 2
水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge 1
永岩城/Eiganjo Castle 1

クリーチャー 12枚
結界師ズアー/Zur the Enchanter 4
聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft 4
龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai 1
ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique 1
海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea 1
脳蛆/Brain Maggot 1

インスタント 10枚
呪文貫き/Spell Pierce 1
マナ漏出/Mana Leak 2
差し戻し/Remand 2
呪文嵌め/Spell Snare 1
致命的な一押し/Fatal Push 3
流刑への道/Path to Exile 1

ソーサリー 6枚
コジレックの審問/Inquisition of Kozilek 4
強迫/Duress 2

アーティファクト 1枚
稲妻のすね当て/Lightning Greaves 1

エンチャント 7枚
拘留の宝球/Detention Sphere 2
広がりゆく海/Spreading Seas 2
神格の鋼/Steel of the Godhead 1
不忠の糸/Threads of Disloyalty 1
亡霊の牢獄/Ghostly Prison 1

では解説を見ていきましょう。

≪結界師ズアー/Zur the Enchanter≫
言わずもがなこのデッキの中核。
ズアーの運命支配を持って来れないことを公式にも突っ込まれた男。
彼が殴り出すとほぼ勝ちと言えるほど強力な誘発型能力を搭載していますが、除去耐性は皆無。
どうやって彼を守るかが課題になります。

≪聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft≫
ズアーデッキでの採用率が非常に高いカードの1種。
呪禁と高いクロックが単純に強い上オーラ戦術と噛み合っていること、青白のクリーチャーなので神格の鋼のサポートを最大限受けられる事などが理由です。
3マナで呪禁持ち、6点クロックのフィニッシャーなのでズアー関係なく勝ってしまう事も。カードパワーお化け。

≪龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai≫
稀に採用されていることもあるタルキールのドラゴン。これも青白。
アンタップ時のみ呪禁持ちに。
攻撃を通すと予期相当の能力を誘発させるのでこれも回れば勝つタイプのカード。
採用する場合は後述の水面院、永岩城もセットで。

≪ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique≫
瞬速、薬瓶起動スタックで、ドローステップ中に、えいっ!で有名な高額フェアリー。
こちらも偶に採用されています。
伝説、インスタントタイミングでのハンデスでズアーのサポート等が理由です。

≪海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea≫
良く1枚差しされている神様。
採用理由は
・3マナのエンチャント・クリーチャーなのでズアーのサーチが効く
・占術が便利
・なんだかんだ信心5が貯まってエンドカードになりやすい
・アンブロ能力でトラフトの弱点を補ってくれる
等が理由でしょう。

≪脳蛆/Brain Maggot≫
極偶に採用。
ハンデス能力が全てです。
ズアーの誘発でインスタントタイミングにハンデスできるオシャレ枠。

≪水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge≫、≪永岩城/Eiganjo Castle≫
ズアーデッキはどうしても伝説のクリーチャーが多くなりがちなので、今回のように開き直って伝説で固め、これらの土地を採用するパターンも間々あります。
水面院は疑似的な警戒能力を、特にオジュタイをアンタップすることで呪禁能力を持たせつつ殴らせることが出来ます。
永岩城の2点軽減はブロックや紅蓮地獄で死にやすい聖トラフトの霊を守るのが主な役目。

ハンデス、カウンター、除去
これらはメタゲーム、個人の趣味による物が大きいのでお好みで。
”ズアーを唱えつつカウンターを構える”というのはマナが足りないことが多いので、ハンデスとカウンターの比率はハンデスを多めにした方が良いと思っています。

≪稲妻のすね当て/Lightning Greaves≫
これも稀に採用。
ズアーに速攻と被覆を与えるスーパーカード。
反面、他のカードは素で呪禁持ちが多いのでズアー以外には無用という悲しさも。

エンチャント
メイン、サイドに何を採用するかは個人の自由なのでメタゲームに合わせて(或いは自分の好きなように)入れましょう。
≪拘留の宝球≫、≪神格の鋼≫がメインから入っていることがほぼ確実ということ以外は特に決まっていません。
いくつか候補を挙げていくので自由に入れ替えましょう!

≪広がりゆく海/Spreading Seas≫
メインでの採用率が高いエンチャント。
キャントリップで無駄になり辛く、相手の妨害ができてトロンに良く効くのが理由でしょう。
タッサの信心も稼げるのが地味な良点。

≪不忠の糸/Threads of Disloyalty≫
2マナ以下のクリーチャーに対する支配魔法。
モダンの1、2マナ圏は、闇の腹心、タルモゴイフ、若き紅蓮術師、秘密を掘り下げる者、死の影など強力なものが揃っているのでその対策でメイン、サイドのいずれにせよ1、2枚採用されることが多いです。
青信心2も嬉しい。

≪亡霊の牢獄/Ghostly Prison≫
白いプロパガンダ。
クリーチャーデッキに強烈に刺さるアンチビートカード。
双子コンボの全盛期は良くメインから採られていました。
今回は死の影系等ビートデッキを意識してのメイン採用。

≪石のような静寂/Stony Silence≫
エンチャント版ヌルロッド。
親和、トロンとTier1の相手にかなり刺さるので採用率はかなり高いです。
メタカードで効かない相手には何もしないのでサイドに置かれることが多いですが、メタ(と憎しみ)次第ではメインにも入りえます。

≪抑制の場/Suppression Field≫
起動型能力への圧力。
かつての双子対策に採用されていました。
が、現在は明確に効く相手が余りいないので採用率が下がり気味。
どちらかというと石のような静寂の方が優先されやすいです。

≪法の定め/Rule of Law≫、≪弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric≫
ストーム対策。
純鋼ストームが流行している今はサイドに1,2枚差すのがベター?

≪安らかなる眠り/Rest in Peace≫
究極の墓地対策。
リアニ系、ドレッジに刺さり、スナップキャスターやタルモへもまあまあ効くのでサイドに1,2枚刺して置くこと推奨。

≪ルーンの光輪/Runed Halo≫
指定したカードへのプロテクションをプレイヤーが得られるエンチャント。
汎用性が高い、が、反面明確に効く相手というのが少ないのでシルバーバレット向きではないという意見も。(一応ストームデッキにぶどう弾指定などの強力な使い道もあります)

≪集団疾病/Illness in the Ranks≫、≪悪性の疫病/Virulent Plague≫
トークンデッキキラー。
余りトークン戦術主体のデッキが多くないのでやや珍しい部類の物。
ヤンパイ、メンターのトークンを処理できるので全く役に立たないわけではないです。
個人的には亡霊の牢獄の方を推奨。

≪苦花/Bitterblossom≫
単純に強力なので偶に採用されています。
あまりシルバーバレット向きではないので採るならメインに複数枚。
しかし採り過ぎるとズアーの必要性も下がってしまう諸刃の剣。
個人的にはズアーが動き始めてから出てもなあと思っているので不採用が多いです。

≪赤の防御円/Circle of Protection: Red≫
バーン殺し。
サイドカードに偶に採用。
バーンが強い時期には必ず採っておきましょう。

≪血染めの月/Blood Moon≫
(!?)
かなり特殊な形のデッキに採用されることがあるそうで。
ズアーがエスパーカラーなので4色とモダンでは厳しい色拘束&月を貼った後は特殊地形が死ぬのでなかなかの修羅道。
自分はうまく使えないです。使いこなせる方はどうぞ。

キープハンド(サンプルレシピの場合です)
キープ基準は個人的にはトラフトかズアーが1,2枚あるとキープすることにしています。
そこに1ターン目でハンデスが出来るならなお良しです。

例、1
呪文貫き、コジレックの審問、強迫、結界師ズアー、汚染された三角州、溢れかえる岸辺、湿地の干潟

文句なしのキープです。
2個のハンデスで1ターン目にハンデスし、2,3ターン目に再度ハンデスしてズアーを安全に着地させられるからです。
万一2枚落してもズアーが通せない場合も1ターン待ってカウンターも構えられます。
ハンデスの打ち方ですが、自分はコジレックの審問から先に打ちます。
コジレックの審問の方が相手のデッキが見えていない場合にも落とせる範囲が広く安定しているからです。

例、2
致命的な一押し、稲妻のすね当て、コジレックの審問、溢れかえる岸辺×2、汚染された三角州、平地

こちらは自分はマリガンします。
理由はハンデスや除去を使い切った後にクリーチャーを引かなければ何もできないからです。
通常のエスパーコンと違いエスパーの魔除け等によるドローが無いのでクリーチャーが引けない時は本当に引けません。
運次第ではここから何かを引いて十分戦う事も可能ですが、自分なら運の要素を減らすために1回目ならマリガンします。

例、3
湿地の干潟×2、広がりゆく海×2、亡霊の牢獄、不忠の糸、結界師ズアー

こちらはギリギリキープ。
ハンデス、カウンターはありませんがターンを凌ぐための亡霊の牢獄、不忠の糸が初手にあり、また、土地も2と少ないですが広がりゆく海によるキャントリップ2回で3ターン目までにもう1、2枚を引くことが十分可能だからです。
ズアーが着地する最速ターン4ターン目までに海のキャントリップ合わせて5回ドロー出来るのでそこで第2のクリーチャー、或いはズアーのためのハンデス、カウンターを引くことも十分期待できます。
マリガンしてこれ以上のハンドになる保証もない以上キープかなと。

回し方ですが、トラフトは特にサポートする必要は無いのですが、ズアーはそうは行きません。
前述の通り除去耐性が無く、マナコストも重いのでハンデスによる事前の確認(最悪3ターン目ハンデス、4ターン目ズアーでも何もしないより全然マシです)、或いはすね当ての装備、カウンターを構えられるまで待つ等確実に通せるようにしましょう。
ズアーが倒されてしまえばただの機能不全のエスパーコントロールなので複数枚ハンドに抱えている等でなければ慎重に扱いましょう。


ズアーデッキ、どうだったでしょうか?
シルバーバレットがかなり面白く、個人個人に合わせてチューンできるので中々奥深いデッキです。
拙い解説でしたが、これを参考にズアーファンが増えれば幸いです。

今回もありがとうございました、またよろしくお願いします!
今回は以前紹介した”死の影ジャンドの解説”(http://lotuspetal.diarynote.jp/201703160103046813/)の補足、サイドボードについて解説します。
今回のサイドボード15枚はこちら。

致命的な一押し/Fatal Push 1
集団的蛮行/Collective Brutality 1
外科的摘出/Surgical Extraction 2
突然の衰微/Abrupt Decay 1
戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage 1
大爆発の魔道士/Fulminator Mage 3
未練ある魂/Lingering Souls 3
再利用の賢者/Reclamation Sage 1
弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric 1
最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope 1

では1枚1枚の役割を解説していきます。

・致命的な一押し
こちらは主に同系の死の影系デッキ、或いは純鋼ストームとのマッチで採用します。(勿論高速ビートなどにも採用することもあります)
死の影デッキはメインの勝ち手段の死の影、タルモゴイフ共に2マナ以下なので致命的な一押しで両方共対処が可能です。
純鋼ストームもクリーチャーの能力がストーム稼ぎに必須。尚且つ純鋼、スラム両方が致命的な一押しで落とせるので始動前に落としてしまいましょう。

・集団的蛮行
こちらは死の影が苦手とするバーンデッキへの対策カード。
ドレイン、ハンデス、除去と全てのモードがバーンに有効、しかも増呪で複数モードが選べると優秀なカード。

・外科的摘出
ドレッジやリアニメイトなどの墓地利用デッキ全般へのメタカード。
ライフを減らしながら墓地対策が出来るのがうれしいですね。

・突然の衰微
親和などの致命的な置物(親和のは頭蓋囲い)があるデッキへの解答。罠の橋の除去へも。
メインでは置物へ触りにくい構築になっているのでその補完ですね。

・戦争の報い、禍汰奇
アンチ親和カードです。
クリーチャー故ピン差しでもウルヴェンワルド横断でライブラリーからサーチ出来るのが強みです。

・大爆発の魔道士
トロン対策ですね。
ウルザトロンは3種の”ウルザの”土地が揃うとそれぞれが2,3マナランドになってしまうのでこのカードで邪魔しましょう。
このカードで土地が揃わずに事故ってる間にタルモや影で殴り倒してしまいましょう。

・未練ある魂
早々にライフを削ってくるタイプのクリーチャーデッキへの対策。
1枚で4体の1/1飛行トークンを作ることが出来るのでそれでチャンプブロックしゲームの前半を凌ぐことが出来ます。

・再利用の賢者
置物対策ですが突然の衰微と違ってクリーチャー。
それ故ウルヴェンワルドのサーチが効きます。
罠の橋採られてる臭いなと思ったら1枚差しておくと対処しやすくなります。

・弁論の幻霊
法の定めクリーチャーバージョン。ストーム対策。
エンチャントクリーチャー故法の定めより割られやすいですがウルヴェンワルドのサーチ対象に。
エーテル宣誓会の法学者はアーティファクトは縛れないので純鋼ストームに効かず、結果こちらの採用に。メタゲームが回れば将来的にエーテル宣誓会の法学者に変わるかもしれない枠ですね。

・最後の望み、リリアナ
コントロール等長期戦を仕掛けてくるデッキとのマッチでインします。
死の影ジャンドはマナ域を見てわかると思いますが、序盤を最重要視しているデッキです。
それ故に後半戦は息切れしやすく不利が付きやすいです。
このリリアナは敵クリーチャーの弱体化、墓地からクリーチャー回収、強力な奥義と長期戦に強いカードなのでこれを入れて対処しやすくできます。
【ビギナー向け】死の影ジャンドの解説・回し方
【ビギナー向け】死の影ジャンドの解説・回し方
【ビギナー向け】死の影ジャンドの解説・回し方
今回は禁止改定を無事逃れられたので死の影ジャンドの解説をします。
ゴールドフィッシュさんに掲載されていた物を暫く回していたので所感などを。

土地 18枚
森/Forest 1
沼/Swamp 1
踏み鳴らされる地/Stomping Ground 1
血の墓所/Blood Crypt 1
草むした墓/Overgrown Tomb 1
神無き祭殿/Godless Shrine 1
湿地の干潟/Marsh Flats 1
汚染された三角州/Polluted Delta 1
樹木茂る山麓/Wooded Foothills 2
新緑の地下墓地/Verdant Catacombs 4
血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire 4

クリーチャー 13枚
死の影/Death’s Shadow 4
ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager 1
通りの悪霊/Street Wraith 4
タルモゴイフ/Tarmogoyf 4

インスタント 10枚
致命的な一押し/Fatal Push 3
コラガンの命令/Kolaghan’s Command 2
タール火/Tarfire 3
ティムールの激闘/Temur Battle Rage 2

ソーサリー 13枚
コジレックの審問/Inquisition of Kozilek 4
集団的蛮行/Collective Brutality 1
思考囲い/Thoughtseize 4
ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald 4

アーティファクト 4枚
ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble 4

プレインズウォーカー 2枚
ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil 2

では個別の解説を。

・死の影
デッキの中核。
1マナ13/13のファイレクシアン・ドレッドノートもびっくりなマナレシオの持ち主。
勿論こんなものが無条件で許される訳もなくデメリットがあります。
それは現在のライフ分-X/-X修正を受けること。
ここがこのカードの肝なんですねえ。
彼の力を最大限引き出すために自分で自分のライフをどんどん削っていくのが死の影デッキの特色。
自傷がメリットとして働くという特異な能力のおかげで彼の入るデッキは普通のデッキと一線を画した回し方をすることになります。

・通りの悪霊
ギタクシア派の調査無き今、代わって採用されたのが彼。
ライフを2点支払うことでサイクリング出来ます。
ライフを削ることで死の影を大きくしながらデッキ圧縮、墓地肥やしが出来る優秀なクリーチャー。
このデッキを回す上で彼とミシュラのガラクタの組み合わせをうまく使う事が命題になっています。詳しくは後ほど。

・ミシュラのガラクタ
タップと自身をコストにプレイヤー一人のライブラリートップを見るスロートリップ付き0マナアーティファクト。
基本的には自分をターゲットに起動します。
相手に使う場合はタイミングを気を付けて。
すぐにドローしたいなら自ターンで、そうでないなら相手ターンのアップキープに起動しましょう。

・タルモゴイフ
言わずと知れたモダンの代表クリーチャー。
墓地にあるカードタイプの種類を参照してサイズが変わるマナレシオお化け。
前述の通りの悪霊、ミシュラのガラクタ等このデッキは墓地が肥えやすいので普通にプレイしているだけで直ぐに3/4以上のサイズになります。
現在モダンに存在するカードタイプは土地、クリーチャー、エンチャント、アーティファクト、インスタント、ソーサリー、部族、プレインズウォーカーの8種。
この内エンチャント以外の7種全てが入っているこのデッキでのタルモのサイズはかなり脅威的。
死の影、タルモゴイフのいずれか1体でも生き残っていれば勝てるのでハンデス、墓地からの回収をしながらこの2体を叩き付け続けるのがこのデッキの基本戦術です。

・コジレックの審問、思考囲い
貫禄の8ハンデス。
これで致命的な一押しや衰微、パスなどの除去を落としてクリーチャーを守ります。
タルモゴイフのサイズアップにも貢献でき、思考囲いに到ってはライフルーズのおかげで死の影まで大きくなります。
唱える呪文がなくてもショックインをするようなこのデッキにとって思考囲いはメリットしか書いていないカード、というわけですね。

・タール火
1マナ2点火力。
稲妻が使えるモダンで何故これを使うのかと言うとタルモゴイフのため。
このカード、世にも珍しいカードタイプ部族を持っているんです。
これが墓地へ行くだけでインスタント・部族の2つ分もタルモがサイズアップするというわけですね。

・コラガンの命令
これも重要なカード。
モード選択系カードで
・2点火力
・ファクト破壊
・墓地からクリーチャー回収
・ハンデス(ただし捨てるカードは相手が選ぶ)
の中から2つを選ぶことが出来ます。
火力はこのデッキで腐ることはまずないでしょう。
ファクト破壊も天敵である罠の橋などにメインから対応することが出来ます。
ハンデスもヴェリアナ、8ハンデスでハンド枚数を減らした後に使えば効果的に相手の手札をボロボロに出来ます。
そして、なんといってもクリーチャー回収。
これで状況に応じてクリーチャーを回収、もう一度キャストするのは非常に強力。
知っての通り、1枚1枚がマスト除去のこのデッキで何度もクリーチャーを出されてしまうのは対戦相手にとってたまったものではありません。(しかもハンデスされながら)
サイズを計算し、タルモと影で大きい方を回収しましょう。
極稀にゴーア族を回収してサイズアップ&トランプル付与で勝利することもありました。

・ティムールの激闘、ゴーア族の暴行者
どちらも2マナのパンプアップ。
ティムールの激闘は二段攻撃付与、獰猛(パワー4以上のクリーチャーをコントロール)を達成すればそれにトランプルも付きます。
これを使う場合はほぼ間違いなく獰猛達成しているのであまり深く考えて使うようなカードではなかったです。
ゴーア族の暴行者は湧血で+4/+4とトランプル付与。
こちらは生物という事もあってコラガンの命令の回収が効いたり、4マナ4/4トランプルとなかなかのサイズ故稀に普通に唱えられたりも。
どちらのカードもトランプルを与えられるのでブロッカーによるチャンプブロックを咎める役割を担っています。
後一つ注意を。
死の影ミラーで相手の死の影にブロックされ、対応でこれらのカードを使う場合にはダメージの割り振りに注意を。
トランプルで、例えば
自分の影がゴーア族のパンプで10/10トランプル(元は6/6)、相手の影が5/5、この時にブロックされて素直に5点を影、残りをプレイヤーに割り振るとライフが減ったことにより相手の死の影がサイズアップし生き延びます。
なのでこういう場合の割り振りはキチンと計算しましょう。(この場合は影8点、プレイヤー2点)
勿論ティムールの激闘の場合も同じです。

・ヴェールのリリアナ
モダン最強PWと名高い3マナPW。
初期忠誠度は3。
+1はお互い1ディスカード。
ジャンドお得意のトップデッキ対決に持ち込むことが可能。
ついでにタルモのサイズも上げることも出来ます。
-2は布告除去。
致命的な一押しや火力除去、集団的蛮行で捌けないタシグル等のクリーチャーはこれで除去しましょう。
-6は相手のパーマネントを2つに分けて相手にどちらかを選ばせて墓地へ送らせるという凶悪なもの。
しかし、絶対に落としたい1枚等があっても相手の選択次第で残されてしまうので注意が必要です。

・ウルヴェンワルド横断
1マナのベーシックランドサーチ。
昂揚(自身の墓地に4種類以上のカードタイプが存在)を達成すれば好きなクリーチャー、土地のサーチに変化します。
タルモゴイフとは違い自分の墓地のみの参照にはなりますが、昂揚の達成は容易。
死の影、タルモ、ゴーア族などを状況に応じて持って来ましょう。

デッキの基本的な動きについて。

まずこのデッキは前述の通り”自傷する事”が直接メリットになります。
そのため一般的にモダンで使われるテクニック”エンドにフェッチ起動、ショックランドタップイン”なんてことはしません。
呪文を使う使わないにかかわらず基本的にショックインです。
通りの悪霊、思考囲いも一切躊躇せずにガンガン使いましょう。
何しろライフが12以下にならないと死の影は戦場に出すことも出来ないのですから。
死の影のサイズについては常に念頭に置いておきましょう。
集団的蛮行でのドレインの使い所を考える必要があったり、今では珍しいですが時折自分に火力を撃つこともあるといった特殊なプレイングがあるので常に視野を広く持ちましょう。

前述のミシュラのガラクタの使い方。
これで自分のライブラリートップを確認、気に入ったら通りの悪霊でドロー、気に入らなければフェッチやウルヴェンワルドでシャッフルという思案を思い出すような使い方をします。
青の入っていないこのデッキは基本はこれでライブラリー操作していくことになるのでこれを上手く扱えるかどうかが強さに直結しています。

キープ基準
初手に死の影、或いはタルモゴイフがあるかどうかが第1基準、それらが一定以上のサイズに育つかどうかが第2基準です。

例.
致命的な一押し×2、白黒ショック、タルモゴイフ×2、死の影、白黒フェッチ

非常に悩ましい微妙なハンドですが、相手のデッキが分かっていないorクリーチャーデッキだとわかっているなら自分はキープです。
モダンのメタゲームではクリーチャーデッキの方が割合としては多いとされています。
そのためゲーム1でデッキが分かっていない状態でも2ターン目にタルモが3/4で着地できる可能性が高く、クリーチャーが3枚もあるため仮に長期戦化しても戦える予測がつくのでキープ。
最悪死の影を犠牲にしてでもサイズアップできます。
1t,フェッチ起動&プッシュ→2t,タルモ(3/4)という流れが想定しやすいですね。


例.
死の影×2、コジレックの審問、ヴェールのリリアナ、致命的な一押し、赤黒フェッチ、緑黒ショック

こちらも悩ましいハンドですが、自分はマリガンします。
このままだとまともなサイズのクリーチャーを早期に着地させられる可能性が高くないからです。
ハンデスや除去で凌ぐことも出来ますが、ヴェリアナの着地も不確定なためマリガンした方がいいと判断。
実際にキープした場合、死の影×2とヴェリアナの3枚がゲームの前半で死に札になると思います。
ここから死の影を早期に着地させるためには”通りの悪霊を引き、そこからダメージを受けられるカードを引く”或いは”フェッチランドで3点食らう(それでも1/1、しかも良くて3ターン目の着地)”の2パターン位しかありません。
早期決着を目的にしたこのデッキのコンセプトにもあまり合っていないハンドだと思います。

例.
タルモゴイフ、死の影、通りの悪霊、ミシュラのガラクタ、赤黒フェッチ、緑黒フェッチ、思考囲い

こちらは理想的なハンド。
必要なものが全て揃っています。
1ターン目に5点、2ターン目に3点ライフを減らすことが出来、タルモも2ターン目4/5、或いは5/6で着地できるので完璧です。
動きは
1t,ガラクタで自分のトップを確認、要らなければフェッチ後悪霊起動、必要なら悪霊後フェッチ(当然どちらのパターンでもショックイン)→囲いキャスト
2t,フェッチをショックインしてタルモキャスト
といった流れになります。
ガラクタのドローも忘れないように。

この死の影ジャンドは実際に回してみて印象よりもずっと丸いデッキだと感じました。
ジャンドがベースに組み込まれているので(8ハンデスがあるので)どんな相手にもある程度は立ち回れるデッキになっています。
かなり辛いだろうと予想していた対バーンでも、自傷を控えるだけで勝手にライフが適正値に寄っていくと一概に辛いだけではありませんでした。
事前の予想に比べれば遥かに楽だと感じました。(それでも不利なのは変わりませんが)

死の影という尖りに尖ったクリーチャーを中核に添えながら丸さのあるこのデッキ、モダマス2017でのパーツの再録に合わせてあなたも使用してみては?
今回もありがとうございました!

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