相棒というアドバンテージ
相棒というアドバンテージ
イコリアで初登場した相棒というメカニズム。
それは、デッキ内のカードの条件を満たしていれば最初に相棒として指定したカードを1枚だけサイドボードから唱えられるというものでした。

発売前こそ条件が厳しいのではないか、と見られていた面もありましたが、マジックオンラインで導入され、評価は一変。
各構築フォーマットで結果を残し、現在上位の過半数デッキは相棒を使っている状態になりました。

何故相棒がそこまで結果を残すことになったのでしょうか。
思ったよりも一部の相棒の条件が簡単であり、達成が容易であったことと、相棒というキーワードの強力さが主な原因です。

一番使われていると思われる相棒
夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den  (1)(白/黒)(白/黒)
伝説のクリーチャー ― 猫(Cat)・ナイトメア(Nightmare) IKO, レア
相棒 ― あなたの開始時のデッキに入っている各パーマネント・カードが、それぞれ点数で見たマナ・コストが2以下であること。(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、あなたは1回のみゲームの外部からこれを唱えてもよい。)
絆魂
あなたの各ターンの間、あなたはあなたの墓地から点数で見たマナ・コストが2以下のパーマネント呪文を1つ唱えてもよい。
3/2

制限がかかるのはパーマネントカードだけであり、インスタントやソーサリーには制限がかかっていません。
これにより既存のデッキはルールスを入れることで3マナ以上の強力なプレインズウォーカーを失うことにはなりましたが、現状プレインズウォーカーたちより強力であると判断されたのか、こちらを使ったデッキが主流となっています。

見た目ほど制限がきつくない相棒
空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad  (3)(白/青)(白/青)
伝説のクリーチャー ― 鳥(Bird)・海蛇(Serpent) IKO, レア
相棒 ― あなたの開始時のデッキに、カードが、デッキの最小サイズよりも少なくとも20枚多く入っていること。(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、あなたは1回のみゲームの外部からこれを唱えてもよい。)
飛行
空を放浪するもの、ヨーリオンが戦場に出たとき、他の、あなたがオーナーであってあなたがコントロールしていて土地でない、望む数のパーマネントを追放する。次の終了ステップの開始時に、それらのカードを戦場に戻す。
4/5

デッキ枚数が80枚になるという欠点こそはあるものの、見た目ほど激しいデメリットではなく、こちらは入れるカードに制限がまったくないというメリットがあります。
プレインズウォーカーを使いつつ、相棒を使いたいデッキではこちらが非常によく採用されており、また自身の能力でプレインズウォーカーの忠誠度回復も出来るため相性も悪くないのが強みです。

相棒のどこが強力なのか。
相棒指定しているデッキとしていないデッキが戦う場合、これだけの違いが発生します。
・初手の枚数が実質的に7枚と8枚の1枚差でゲームがはじまる
・相棒側は指定したカードが必ずあり、そのマナ域まで到達すれば唱えられ、相棒を前提とした専用サポートカードを外さずに使える
・相棒は手札破壊の影響を受けることがない

では一番上から。
・初手の枚数が実質的に7枚と8枚の1枚差でゲームがはじまる
マジックザギャザリングは先手と後手で1枚のカード差をつけることによって
先手はカードを先に唱えられますが、後手は先手の猛撃をしのげばカード枚数差で有利になるというバランス調整で成り立ってきたゲームでした。
もしも片方だけが相棒を使っていた場合、
相棒側が先手であれば後手の強みだった枚数差をなくしつつ戦えますし、
後手であれば実質的な枚数差が2枚となるため、先手の猛撃をしのぎやすくなるというわけですね。

・相棒側は指定したカードが必ずあり、そのマナ域まで到達すれば唱えられ、相棒を前提としたサポートカードを外さずに使える
今までのマジックザギャザリングでは欲しいカードを引くためには、デッキ構築の段階でたくさん枚数を入れるか、サーチカードを入れる必要がありました。
しかもそれは引ける可能性が高いというだけで、なかなか引けないということも非常に多かったわけです。
しかし相棒は違います。
指定しただけで、勿論マナは必要ですが相棒は必ず(実質的に)初手にあるのです。
もしも欲しいカードが相棒だった場合は、今まで必要だったサーチカードや複数枚数を入れるなどの工夫が不要となり、デッキ構築の段階でたくさんの枠を割く事なく理想的に動けるというわけですね!
これによって今までは必ず引けると限らなかったため、同じマナ域に引けなかったときのためのカードを入れたりするのが普通でしたが、相棒のマナ域のカードをあえて入れず、そのマナ域の動きを相棒に任せるという構築理論もとられるようになりました。
また、それによる副次的効果で相棒を前提としたサポートカードが使えるように。
今までのマジックザギャザリングでは何々を前提としたサポートカード・・・というのは基本的にその何々が引けないと弱いという非常にどうしようもない欠陥があったのですが、これにより改善され、何枚かはそういうカードを入れるのも普通となってきていますね。

・相棒は手札破壊の影響を受けることがない
これはわかりやすいですね。
相棒は手札に居るように振る舞いますが、ルール上は触れる手段のほとんど存在し無いサイドボードにあるので黒の手札破壊で対処する・・・というようなことは出来なくなっています(手札破壊からは若干逸脱しますが、翻弄する魔道士などを先置きする事はできます。若干損なのは否めません)
また、相手に手札破壊呪文を撃たれるパターンとは逆に、ライオンの瞳のダイアモンドのデメリット能力の手札破壊を無視して能動的に(まるでかのBlack lotusの如く)0マナから3マナ生み出して相棒のコストに充てるという動きも可能になっています。

以上の理由が積み重なり、相棒デッキ相手に相棒不採用のデッキが戦うのが不利となっていった、ということではないかと。

相棒という存在は既存のマジックザギャザリングを大幅に変貌させ、相棒を前提としたゲームにしました。
個人的には相棒というメカニズムそのものは好きではありませんが、ルールスにしろヨーリオンにしろやれることの幅を広げるカードではあるので、楽しい方向に進ませようとしたという気持ちは伝わってきます
その強力さでこれからも相棒ありきのゲームに進んでいくのか、それとも禁止改定で相棒をなかったことにするのか。

今後の動向に注目です。

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