白黒エルドラージ(初心者向け記事)
GP神戸で優勝していたので、簡単な解説を。
まず、白黒エルドラージは、≪変位エルドラージ≫を主軸に組んだエルドラージデッキをベースに黒をタッチしたことで≪潮の虚ろの漕ぎ手≫などが採れるようになったデッキです。
そこからさらに進んで、≪変位エルドラージ≫不採用の型も出てきました。今回の優勝デッキもそのタイプ。
そのため、今回は≪変異エルドラージ≫不採用の優勝レシピを例に解説していきます!
まずはレシピをどうぞ!

土地 23
3 沼/Swamp
1 平地/Plains
4 エルドラージの寺院/Eldrazi Temple
2 神無き祭殿/Godless Shrine
4 秘密の中庭/Concealed Courtyard
4 コイロスの洞窟/Caves of Koilos
1 悪臭の荒野/Fetid Heath
4 変わり谷/Mutavault

クリーチャー 16
4 難題の予見者/Thought-Knot Seer
4 不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler
3 現実を砕くもの/Reality Smasher
1 叫び大口/Shriekmaw
4 潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler

インスタント 7
4 流刑への道/Path to Exile
2 致命的な一押し/Fatal Push
1 四肢切断/Dismember

ソーサリー 9
3 コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
1 思考囲い/Thoughtseize
1 集団的蛮行/Collective Brutality
4 未練ある魂/Lingering Souls

アーティファクト 5
4 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
1 漸増爆弾/Ratchet Bomb

サイドボード 15
3 石のような静寂/Stony Silence
3 大爆発の魔道士/Fulminator Mage
2 外科的摘出/Surgical Extraction
2 神聖な協力/Blessed Alliance
2 ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet
1 解呪/Disenchant
1 排斥/Cast Out
1 思考囲い/Thoughtseize

ではカードを見ていきましょう。
やはりこのデッキで最も特徴的なのは≪不毛の地の絞殺者≫。

Wasteland Strangler / 不毛の地の絞殺者 (2)(黒)
クリーチャー — エルドラージ(Eldrazi) 昇華者(Processor)
欠色(このカードは無色である。)
不毛の地の絞殺者が戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。あなたは追放領域から対戦相手がオーナーであるカードを1枚そのプレイヤーの墓地に置いてもよい。そうしたなら、ターン終了時まで、そのクリーチャーは-3/-3の修整を受ける。
3/2

やや地味ですが、追放領域に干渉するという特性をこのデッキでは存分に発揮し、大活躍します。
追放領域のコスト稼ぎ枠にはエルドラージの必須カード≪難題の予見者≫&≪流刑への道≫は当然入っていますが、それだけではありません。
コストにとどまらないのがこのエルドラージ。
≪潮の虚ろの漕ぎ手≫やサイドボードの≪排斥≫で一時的に追放しているカードを墓地に戻すことでノーデメリットのハンデス&除去に変えてしまいます!
メインボードで4積みされている≪大祖始の遺産≫も安定して追放領域にカードを送ってくれるナイスカード。
これを4積みしたことでメインから墓地利用系デッキを強烈にメタれているのもすごい。
また、モダンのトップメタの一つ、デスシャドウデッキに対してもグリクシス、ジャンドの両方の型にも有効です。
グリクシスの方はアンコウやタシグル、コラガンの命令、スナップキャスターやリリアナとなかなかの墓地依存度。
ジャンド型も当然ウルヴェンワルドやタルモゴイフが居るので依存度は高いです。
役に立たなくても最悪1ドローに替えられるのも嬉しいですね。

≪幽霊街≫が不採用でミシュラランド枠として≪変わり谷≫が4採用されているのも特徴的。
考えられる理由は
・全体的にややクリーチャーが少なめなのでそこの増強
・無色マナ源と打点の両立
といった所でしょう。

また、細かい話をすると≪致命的な一押し≫の採用も面白いですね。
≪致命的な一押し≫はそもそも、流行のデスシャドウデッキによく効くためにモダンで大人気のカードですが、フェッチランドの使用を前提にしているためフェッチを採用しないタイプのデッキでは敬遠されがちです。
しかしこのデッキでは前述の通り大祖始の遺産を4枚積んでいて、いつでも条件を満たす事ができます。
叫び大口の想起でも達成が出来るので、(そもそも条件未達成でもそこそこ強い除去なのもあって)見た目よりも大分使いやすいのではないでしょうか。

叫び大口は大歓楽の幻霊をすり抜けられる(実質的な)2マナ除去としても非常に優秀。
メインボードでのバーン対策カードが他には≪集団的蛮行≫くらいしかないので大きな意味を持つ1枚です。
このデッキなら素のコストで出てきてフィニッシャーになることもあるので十分以上にデッキにマッチしたカード。

≪未練ある魂≫4枚の採用はデスシャドウを意識してでしょう。
これに限らず、デッキ全体がデスシャドウをかなり意識した構成になっているのは間違いないです。
実際デスシャドウにはかなりの有利が付いていますね。

サイドボードも適切なものがきちんと採用されています。
≪大爆発の魔道士≫はトロン対策。
≪ゲトの裏切り者、カリタス≫はバーンなどのライフを責めてくるデッキ全般とドレッジなどの墓地利用両方への解答になっています。
≪石のような静寂≫は言うまでもなく親和対策でしょう。
≪外科的摘出≫はストーム、ドレッジ対策。
≪神聖な協力≫は全てのモードがデスシャドウとバーンに有効な強力な対策カード。
その他のカードもモダン特有の汎用性の高いサイドカードになっています。

では、簡単なキープ基準を。

このデッキはエルドラージの寺院から高速で難題の予見者や現実を砕くものを叩き付けるエルドラージ特有の動きもありますが、メインの動きはジャンドなどに近いハンデスビートの動きです。
前半をハンデスで捌きながら、中盤以降は不毛の地の絞殺者などで畳みかけていくのが基本の動き。

例1
≪思考囲い≫、≪コジレックの審問≫、≪大祖始の遺産≫、≪流刑への道≫、≪未練ある魂≫、≪平地≫、≪神無き祭殿≫
キープ
2色+カラーレスのデッキなので頻度は多くないものの、土地事故自体は起こります。
土地の基準に関しては序盤の色マナが重要なので、ランド2以上で白と黒が両方出るのならカラーレスが出なくてもキープです。
今回の場合はまさにその典型的なケースです。
≪大祖始の遺産≫をドローに回せるのもグッド。
このハンドでデスシャドウに前半殺されることはほぼ無いでしょう。

例2
≪致命的な一押し≫、≪沼≫、≪エルドラージの寺院≫×2、≪難題の予見者≫、≪未練ある魂≫、≪流刑への道≫
キープ
白マナが出ないものの、他のカードが強力なのでキープ。
2t目に予見者を叩き付ければとりあえずは序盤を凌ぐ事ができるでしょう。

例3
≪平地≫、≪変わり谷≫、≪エルドラージの寺院≫、≪思考囲い≫、≪不毛の地の絞殺者≫、≪潮の虚ろの漕ぎ手≫、≪漸増爆弾≫
マリガン
かなり悩ましいですが、マリガン。
やはり黒マナが出ない事には唱えられないカードの枚数が多すぎます。
漸増爆弾だけで耐えるのは流石に現実味がないでマリガン。

製作者様のキープ基準とは相違あるかもしれませんが、とりあえずこれで回す事ができるのではないでしょうか。

それにしても、GPの結果を見る限り今のモダンのデッキの多様性はすさまじいですね。
アメリカでの根強い人気も頷けます。
今回はエルドラージが優勝しましたが、今後どんなデッキが戦績を挙げても不思議ではないでしょう。
現環境は近年でも稀に見る面白さなので、GPが終わってからも全国的に遊ばれるとモダンプレイヤー的にうれしいです!
今回もありがとうございました!

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