禁止制限2017年1月9日版
今回の禁止カード

スタンダード

《約束された終末、エムラクール》禁止

《密輸人の回転翼機》禁止

《反射魔道士》禁止

モダン

《ギタクシア派の調査》禁止

《ゴルガリの墓トロール》禁止

感想
《約束された終末、エムラクール》
トップメタデッキの霊気池の驚異と緑黒昂揚に採用されていた一枚。
特に霊気池の驚異デッキで最速4ターン目に戦場に出る(≒ゲームに勝利する)のは余りにも強すぎたのでしょう。
強さそのものもありますが、緑黒昂揚デッキで使う際に昂揚と違って墓地のカードタイプを4種類以上数える必要があるという面倒な側面がありました。
また、以前公式記事でも触れられていましたが(http://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0018208/# こちらの記事です)、「キャストのたびに精神隷属機」というのはたまに使われるにはいいけれど日常的に使われるのは余りにつまらないということも大きかったのでしょう。
総じてあまりの強さ、かつプレイ上面倒で面白みが少ないパターンが増えすぎた結果という解釈ができますね。

《密輸人の回転翼機》
恐らく新カードタイプ機体をプッシュするために生まれたであろうカード。
新しいカードタイプのカードは失敗の歴史があるので(特に頭蓋骨締めは登場したミラディンがアーティファクト次元なことも今回の件と共通のカードですね)他のカードに比べると失敗も仕方がない気もします。
デザインの基本として「唱え辛い=強い、唱え易い=弱い」の図式が本来のはずですが、時折こういった色拘束が緩いのに同マナ域の他のカードよりも強力というものが現れては規制されます。死儀礼しかり…
無色2マナという余りの軽さに対して序盤中盤終盤何時来ても一定以上の働きをするという点でも≪死儀礼のシャーマン≫等の壊れカードと同じような雰囲気が登場当初からしていました。
複数枚引いても腐らない、雑に積むだけでデッキの安定性を底上げしてしまう、強さと色を選ばない性質上好む好まざるとに関わらずデッキに入れざるを得ない事が多かった、ルーティングによるプレイヤーの技術差が大きく出てしまうがために結果的に初心者と上級者の実力差をさらに広げてしまったetc箇条書きでもいくらでも悪い点が挙げられます。(禁止理由の推察であって嫌いなわけではないですよ?念のため)
個人的には機体を作る上での必要悪ではあったから役割を終えただけかなあという感想です。

《反射魔道士》
青白フラッシュが強すぎたの一言(https://www.mtggoldfish.com/metagame/standard#paper こちらの記事によると環境の支配率驚異の21.43% )。「いまさら?」という人も多いでしょうが遅すぎるということはなかったと思います。
過去のバウンス内蔵のCIPクリーチャーと比較しても「あなたの次のターンまで、そのクリーチャーのオーナーはそれと同じ名前を持つ呪文を唱えられない。」の一文はやり過ぎの一言でした。
バウンスされたクリーチャーと同じクリーチャーを複数枚ハンドに抱えていた際のプレイヤーの不快指数は測り知れません。
キャストするだけでクリーチャーを採用するあらゆるデッキに対して有効に働くという点は見過ごせない性質の悪さがありました。
霊気紛争スタン参入後での活躍を期待されている≪サヒーリ守護フェリダーコンボ≫デッキでも採用が見込まれていました。≪守護フェリダー≫≪サヒーリ≫両者とのシナジーを利用した簡易ロックでこのコンボデッキを序盤から守る定番カードになってしまいそうだった点も宜しくなかったのでしょうね。
上記の2種に比べても情緒酌量の余地のないカードだったと思います。(個人の感想です)


《ギタクシア派の調査》
「ここで動かなければ負けてしまう(不利になってしまう)、でも相手の手札に○○があったら失敗する」という状況でこのカードがあると「とりあえず」撃って解決できてしまうことが最大の問題点でした。
通常ピーピングをするにはマナも手札も減らなければならないはずなのにもかかわらず、このカードは2点ライフというあまりに少ないリソースでそれを補ってしまいました。(人によってはピーピングに加えてデッキ圧縮さえできていると言うでしょう)
ワンキル率にこそ影響しなかったもののキル率そのものの安定に非常に貢献してしまっていたという点は悪質に感じました。
纏めるとオールインの難易度を下げ過ぎたことにより、駆け引きの部分でゲームをつまらなくさせていた元凶、禁止も当然納得の一枚ですね。

《ゴルガリの墓トロール》
このカードというよりも、むしろ発掘というキーワード自体の方が(フレーバー的にさえも)面白くない、その上強すぎる(良くも悪くも別のゲームをしてしまう)という問題点を孕んでいました。
発掘そのものの問題点として「本体のマナコストなど無関係に暴れるため、デザイン上発掘と付けただけでどれだけ重くしたところで悪用される、重要なのは発掘の数値だけ」という点があり、そこに最高にマッチしてしまっていたカードでした。
解禁当初はあまり環境への影響はありませんでしたが、新イニストブロックで大幅に強化され日の目を見たカードでした。が、《安堵の再会》が決定的でしたね。
https://www.mtggoldfish.com/metagame/modern#paper こちらの記事にもある通り多様なデッキが存在するモダンで環境支配率7.95%はあまりにも強すぎますね。また、環境TOPのデッキとしては理不尽に相手を圧殺するというデッキの性質も悪かったというところでしょうか。
公式でも「《安堵の再会》と《秘蔵の縫合体》が印刷され、このデッキはこのフォーマットを再び不健全なものにしてしまいました。」とされていましたが、遅かれ早かれ墓地を利用するカードが今後も増えていくのならばこうなる事は仕方がなかったのでしょう。

スタンダードは今後今回で禁止のハードルが下げられたままで禁止改定をしていく方針なんでしょうか?運営側が積極的に環境に手を加えていくのは個人的には英断だと思いますが、方針転換による愛用者の反発も懸念されますね。
モダンは《ギタクシア派の調査》は納得の禁止ですが《ゴルガリの墓トロール》には同情を禁じ得ないです。
レガシー・ヴィンテージに関しては今回は何もありませんでした。個人的にはヴィンテージでメンターデッキが現状あまりにも強いこと、青ベルチャーのキル率安定等の元凶≪逆説的な結果≫が制限に行くものと予想していました。

以上が今回の感想です。
禁止でお気に入りのカードが使えなくなってしまうのはさみしいですが、この改定で何かしらの環境へのいい影響があるといいですね!

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